平成24年度5月 定例会個人質問

~はじめに(歴史観について)~
皆さん、こんにちは。吹田新選会、足立将一です。通告に従いまして、個人質問を行います。
皆さんは、2012年をどのような思いでお過ごしでしょうか。ことしは、4月28日にサンフランシスコ講和条約発効、日本が主権を回復してからちょうど60年を迎え、5月15日には沖縄祖国復帰から40周年を迎えました。周辺諸国との領土問題や朝鮮民主主義人民共和国による拉致・ミサイル発射問題、沖縄の米軍基地のあり方など、今、私たちは、安全保障においてさまざまな問題を抱えています。
また、先日の台湾、ロシア、フランスの選挙に続き、中国、アメリカ、韓国など主要国のリーダーがかわる可能性があり、激動の世界情勢を今後日本はどのような国家として進んでいくべきか、日本が民主主義国家である以上、国民全体で考え、議論していかなければならない時期に来ていると感じます。
そんな中、気になるのは、これからの日本についての議論をしていても、国のあり方、方向性の前提となる歴史について、わからない、知らないと答える同年代の若者が多いことです。例えば、敗戦から7年間アメリカに占領されていたことや、占領下において、教育制度の変更や検閲、言論統制、公職追放が行われたこと、また、憲法すら占領下でつくられたことやその制定過程など、今の日本がなぜこうなったかを考えるための前提を知らない若者が非常に多いように感じます。
かく言う私も、大学卒業直前に歴史の大切さに気づき、主体的に学んだことで初めて多くの問題意識を持つようになり、国や地域がどうあるべきかを考えるに至ったので、あんまり偉そうなことは言えません。私自身の反省から思うことは、中学、高校で歴史を学び、大学に進学したにもかかわらず、なぜ歴史というものについて深く考えることができていなかったかということです。留学した仲間の話では、他国の若者は、自国の歴史に対する誇りを持った上で、国や自分の未来について語るということも、とてもよく聞きます。
退任された田口前教育長が、退任あいさつにおいて、私たちがどこから来たのかがわかれば、どこに行けばいいのかがわかる、という言葉を残していかれました。歴史を理解すれば、未来への選択肢が見えてくるというメッセージであると私は解釈しております。
歴史を学ぶということの大切さは、年号や人名を暗記することではなく、事象の因果関係を理解し、その教訓を現代に生かすことであると今では理解できます。国のビジョンが見えないと言われるこの時代だからこそ、若者が未来を語る環境を我々が整える必要があります。そのために、少なくとも近現代史のきちんとした教育を行う必要であると考えます。
そこでまず、市長に質問いたします。今の吹田市の小・中学生は、歴史認識を養うのに十分な教育を受けているとお考えか否か。できていないとすれば何が足りないのか。教員人事権の移譲の公約は、地域の特色を生かした、きめ細やかな教育を進めていくことを目指すためのものと12月定例会で御答弁いただきましたが、その中には歴史教育の充実も含まれているのでしょうか、お答えください。
(井上哲也市長)
まず、本市の小・中学校の歴史教育についてでございますが、各学校におきまして、学習指導要領に基づき適切に実施されているものと認識をさせていただいております。