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驚きの図書館シリウスを視察して

さて、書く書くと言ってなかなか書かず、ついに死亡遊戯のごとく最上階まで上がりきりました大和市文化創造拠点シリウス。個人的には公共施設の在り方について考えることとなった点がたくさんあり、皆さんにも一緒に考えていただきたいので列挙してみます。答えはないものばかりなので是非お気軽に。

1.行政コスト
2.サービス
3.政策実現手法

まずやはり考えるのがコスト面。
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文化芸術ホールと図書館、生涯学習センターやその他施設を併設する多機能型公共施設。予算規模はおよそ200億円。吹田市で建設中の市民病院も機械等すべて含めて200億円。記事で内装や備品もご覧になっていただいた通り、かなりお金がかかっています。

さて、このコストをどう捉えるか。税金を使って建てるものなんだからなるべく安くしなければ、というのがこれまでの感覚。最近は重視すべきはコストだけでなく在り方だ、ということでプロポーザルと呼ばれる提案型の入札も増えてきています。今回の施設はさらに上をいき、市民の利用者を増やすためにしっかりコストをかけていこうというもの。

極端な話、とても安く抑えて担当者ですら魅力的でないと感じる施設を建てて、案の定利用者が少ないと頭を抱えるのであれば、
コストをかけても利用者が増えて、かつ満足度が高ければそれは一つの選択肢としてありなのではないか、という点。

よりよいものにどれくらいお金をかけるのか。ここで大事になるのがやはりビジョンであり哲学です。大和市の大木市長のお話を伺いましたが、この施設を人を集め、つながりを作る拠点とする。そのためには人が来たくなる仕掛けをたくさん作らなければならない。単に図書館を作るのではなく2次的3次的効果も見据えた政策である。と断言されていました。設計や備品のこだわりも市長のビジョンに沿ったものであり、開館からずっと利用者の数の推移を気にかけられているとのことです。

ただただお金をかけたらいいという話ではなく、明確な政策目標を立てて、それを実現するために政治家(市長)の責任で実行していく。もちろん税執行なので議会の承認は受けなければならず、激しい議論が起こる(はず)ので、コストに対する正当性は担保され議員も共に責任を負います。財政運営とのバランスを考えながらどこまでコストをかけていくか。非常に考えさせられます。

 

2つめはサービス。

例えばシリウスでは本の貸し出しは全自動です。それで人件費を抑えているのですが、自動貸し出し機を使えない人はどうするんだ~、というありそうな苦情。「いや、聞いてくれればいいやん」というスタンスです。こども読書室では子供が届かないところにも本が、そんなとこに置くのはどうなの~「いや、職員に取ってくださいって頼めばいいやん」っていうスタンス。デザインにこだわっているので、デジタルサイネージ(電子広告)の使い方とかわかりづらい~というものにも「いや、聞いてくださいよ」というスタンス。

何が言いたいかというと、「困ったときは人に頼ってくださいね」、というスタンスを取っておられるように感じました。現在行政において「困った」という状況を作らないように、「困らない状況を作る」ことに力点が置かれているような気がしますが、「困った人をお手伝いするのが当たり前」という空気を作るほうが社会的には素晴らしいのではないか、と改めて考えさせられました。困ったときに他人に声をかけられる、逆に困ってそうな人がいたら声をかける、そういうきっかけが人と人との繋がりを生んでいくのかもしれません。

「困らない状況を作る」ことにはやはりコストがかかり、「困った人をお手伝いするのが当たり前」の環境を作るのは時間と人の心が必要です。何がベストなのか。これは社会の在り方の問題ですが、「困ったときは人に頼ってもらう環境づくり」ひとつの政策的な取組みとして非常におもしろいです。

 

3つめは政策実現手法。吹田市も中央図書館の老朽化による建て替えが数年後必ず議論になるので、今様々な図書館を勉強しています。そのなかで2つの流派があると考えます。ひとつは民間企業の技術・経験を活かした手法。もうひとつは協議会などを開催し市民の意見を最大限取り入れる手法。前者は比較的大きな自治体、後者は比較的小さな自治体に見られます。

いずれにしても新しい施策展開において、これまでとは異なる考え方をするために行政ではない分野の知識を積極的に取り入れておられます。専門性が高まれば高まるほど、視野が狭くなるおそれがあり、他者の意見はそれを拡げてくれる大切な役割があります。目標が決まればその目標を達成するために様々な手法を取り入れることが大事です。

 

様々な取組みを学び、それを市長や職員に提案し、実現につなげられるようこれからも職務に専念してまいります。

 

驚きの図書館 シリウス6階生涯学習センター

この図書館は複合型施設なので最上階は図書館ではなく生涯学習センターになっています。

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5階にあがると広がる自由スペース。ここでは何をしてもよいということで勉強している学生がたくさん。時間帯によって乳幼児のお母さんや高齢者、学生といろんな世代がかわるがわる来られるとのことです。

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受付の横の待合室。いや、こんなおしゃれな待合室ありますか。すごいな。

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ちょっと覗いた調理室にはヘルシアが完備。僕はひとりでテンションがあがっておりました。

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ピクトグラムもいちいちおしゃれ。聞くと表示のフォントもとてもこだわっているとのこと。大事ですよね。デザイン。ロッカーもびっくりするくらいたくさん用意されていて、活動団体に貸し出しているとのこと。こういうかゆいところに手の届く設備、ありがたいですね。

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「文化創造室」。図工室的な役割も果たすけれどこの施設は文化創造拠点なんだから、ということでこのネーミングに。小さなこだわりだけれどもとても大事です。

 

 

驚きの図書館 シリウス5階

最上階まであがってきました!

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図書館らしい図書館ですよ、と案内された5階は「調べて学ぶ図書館」フロア。いやいや、ここもおもいっきり広いスペースをとってみなさんがっつりくつろぎながら本を読んでおられるじゃないですか。ぱっと見図書館っぽくありませんよ。

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1人分のスペースを大きくとった閲覧席、広々とした空間はやはり居心地がよさそう。

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居心地を考える際に特にこだわったとおっしゃっていた椅子。1脚うん万円。力の入れ方が半端じゃないです。

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どのフロアもそうですが運営コストを下げるために貸出、返却は全自動。コストをかけるところはしっかりかけて、下げるとこは下げるというメリハリがきいています。たしかにランニングコストを下げてその分設備投資に回すことで満足度が上がるのであればそれがよいですね。貸出・返却の自動化に関して市民からのクレームはないそうです。

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おしゃれな雰囲気の漂う本棚、漫画もありますよ。ちょうど子連れのお母さんがこのコーナーに来て、「わたしずっとここにいれるよ」とテンションが上がっておられました。

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やはり全体のデザインや雰囲気をとても大切にしておられるのをどの部分を見ていても感じ取れます。右側は点字図書室。非常にカラフルなので関心をひき、点字の必要性を健常者も感じられます。普段意識しないことを意識できる環境は素晴らしい。

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こちらは地域資料コーナー。こういった目に触れる形で展示していただけると関心も湧きます。新しい好奇心が湧く展示スタイルは本当にすばらしいなぁと思います。歌手の河村隆一さんも大和市出身という事で落成式に来られたとのことです。

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館内で唯一、飲食と会話が禁止の読書室。静かに本を読みたい方はこちらに。さりげなくいろんな方への気遣いが見て取れます。

図書館らしい図書館とおっしゃっておられましたが、こんな図書館なかなかないですよ。既存の枠にとらわれていない感じが全力で出ています。

 

 

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